
当院では、1年間に平均540件の脳神経外科手術を行っています。 2001年から2011年までの手術件数の 内訳を別表に示します。詳しい内容については、それぞれのページに 譲りますが、
当院での手術は、大きく4つのグループに分けることができます。
一つ目は、
脳血管障害、いわゆる
“脳卒中”の手術です。 日本人は、脳卒中の頻度が非常に多い傾向があるので、 すべての病気の中でも重要な分野です。 中でも、件数が多いのは、脳動脈瘤の手術です。これには、【1】破裂して「クモ膜下出血」 を起こしてしまった 動脈瘤に対しての手術と、【2】何らかのきっかけで、未然に見つかった動脈瘤(未破裂脳動脈瘤)の手術、 があります。 いずれも、多くは開頭手術を要するものですが、血管内治療の対象になる場合もあります。 また、最近増加しているのは、 頚動脈の狭窄に対する手術(頚動脈内膜剥離術)です。 これは、脳梗塞の発症や進行を防ぐために行う手術です。 当院では、それぞれに専門的知識や技術を持った 医師達が担当して行っています。
二つ目は、
脊椎脊髄の手術です。人間の背骨(脊椎)の中には、
「脊髄」という太い神経の束が通っています。 このため、背骨の病気で神経が圧迫され、手足のしびれや脱力、
歩行障害などの症状が出るのです。 脊椎脊髄の手術は、腰痛などの治療だけにとどまらず、神経を守る治療ということになります。
そこで、脳神経外科医の専門技術であるマイクロサージャリー、すなわち、開頭手術に用いるのと同じ手術用顕微鏡を
用いた極めて精細な手術によって、神経の障害をくいとめます。当院では、脳外科医の中でも、脊椎脊髄の治療を専門と
している医師達によって、開院当初より、数多くの手術を行っています。
三つ目は、
脳腫瘍です。「脳腫瘍」は決して稀な病気ではありませんが、 非常に多くの種類があり、 それぞれが別な病気です。
「髄膜腫」など良性のものも多く、治療により完治するものも 少なくありません。 しかし脳の中にできる
「神経膠腫」などの治療は簡単なものではなく、専門的な治療が必要です。 当院では、術中ナビゲーション(手術操作部位の位置情報をリアルタイムに提供する技術)や、術中蛍光診断を ルーチンで行っております。また、運動神経の損傷をできるだけ回避するための、 術中運動誘発電位モニタリングも行います。 これらにより最も効率的であり、より安全な手術が可能となります。 更に下垂体腫瘍には内視鏡を導入しています。 当院では、脳外科医の中でも、脳腫瘍の治療を専門としている医師達が担当して行っています。
四つ目は、
頭部外傷に対する手術です。その中で最も多いのは、「慢性硬膜下血腫」の手術です。 主に高齢者に多い病気ですが、頭を打った直後には検査しても異常がなかったのに、2〜3週間以上経ってから、 歩行状態がおかしくなったり、ボケ症状が出たりして、検査すると頭の中に大量に血がたまっている、という状態です。 多くは、ドレナージという小手術で良くなります。頭部外傷の中でも重症なものは、打撲直後から意識障害をきたすような 「急性硬膜下血腫」や「急性硬膜外血腫」です。一刻を争う緊急手術が必要となります。
過去6年間の手術実績
| 過去6年間の手術実績 |
2006年 |
2007年 |
2008年 |
2009年 |
2010年 |
2011年 |
| 脳血管障害(脳卒中) |
171 |
155 |
188 |
194 |
173 |
175 |
| 破裂脳動脈瘤(クモ膜下出血) |
28 |
34 |
30 |
27 |
21 |
23 |
| 未破裂脳動脈瘤(血管内を除く) |
49 |
49 |
56 |
48 |
63 |
74 |
| 脳内出血 |
14 |
16 |
17 |
13 |
18 |
16 |
血行再建
(バイパス、内膜剥離など) |
23 |
17 |
26 |
21 |
21 |
31 |
| 血管内手術(破裂瘤除く) |
36 |
16 |
35 |
29 |
6 |
5 |
| その他 |
21 |
23 |
24 |
56 |
44 |
26 |
| 脊椎脊髄疾患 |
126 |
116 |
148 |
149 |
165 |
137 |
| 頚椎 |
39 |
53 |
67 |
38 |
70 |
65 |
| 胸椎 |
0 |
3 |
0 |
3 |
6 |
1 |
| 腰椎 |
69 |
43 |
57 |
81 |
68 |
55 |
| 脊髄腫瘍、脊髄動静脈奇形 |
10 |
7 |
18 |
14 |
12 |
7 |
| その他 |
8 |
10 |
6 |
13 |
9 |
9 |
| 脳腫瘍 |
74 |
68 |
62 |
76 |
80 |
90 |
| 腫瘍摘出 |
41 |
43 |
31 |
45 |
56 |
81 |
| 生検 |
16 |
12 |
16 |
17 |
6 |
2 |
| 下垂体腫瘍(経鼻的に行う) |
15 |
12 |
14 |
10 |
11 |
7 |
| その他 |
2 |
1 |
1 |
4 |
7 |
0 |
| 外傷 |
72 |
73 |
52 |
56 |
78 |
55 |
| 慢性硬膜下血腫 |
70 |
67 |
50 |
51 |
72 |
46 |
| 急性硬膜下血腫 |
0 |
5 |
2 |
5 |
5 |
8 |
| 硬膜外血腫 |
2 |
1 |
0 |
0 |
1 |
1 |
| 機能外科手術 |
13 |
11 |
32 |
36 |
22 |
30 |
| 脳刺激装置埋込・入替術 |
13 |
11 |
26 |
31 |
17 |
15 |
| 脊髄刺激装置埋込術 |
0 |
0 |
0 |
0 |
0 |
4 |
| その他 |
0 |
0 |
6 |
5 |
5 |
11 |
| その他 |
88 |
70 |
90 |
38 |
43 |
44 |
| 合計 |
544 |
493 |
572 |
549 |
561 |
531 |
■2005年以前の手術実績は
こちら