専門外来

腰椎椎間板障害(腰椎椎間板ヘルニア)

腰椎椎間板障害(腰椎椎間板ヘルニア)とは?

腰椎の椎間板が後ろの方に突出し、神経の通り道である脊柱管の中(時に脊柱管の外で)で神経を圧迫してしまう状態です。

腰椎椎間板障害(腰椎椎間板ヘルニア)の症状

症状は、坐骨神経の圧迫によるものです。具体的には、腰痛や、足の脱力、足のシビレや痛みです。時に、臀部から大腿部、下腿部が痛んだり、足指にまで痛みがおきることがあります。ぎっくり腰が初発症状として出てくることもあります。腰は5つの骨から構成されており、頭側からL1、L2と並んでいますが、椎間板ヘルニアの好発部位は腰椎の下部にあたる L4/5,L5/S1,L3/4に多く見られます。

治療方針

 まず保存的治療を行いますが、保存的治療で改善しない場合には、手術となることがあります。また、椎間板の突出が著明で我慢できない激痛があったり、足の運動が急速に悪化する場合は、優先的に手術を行います。

【保存的治療】
保存的治療としては、薬物療法、ブロック療法、コルセット装着があります。
ただし、当院では牽引療法は行っていません。(これは一時的に効果がある場合もあるが、長期間行うとむしろ痛みが増悪することがあるためです)

【手術】
椎間板の摘出は、手術用顕微鏡を用いて慎重に行います。
手術は日本脊髄外科学会が認定する指導医が行います。(全国で約50名ほどしか認められていない指導医のうち、4名が当院の脊髄疾患の手術にあたっていま。)

【手術後の期間】
術後、数日間は安静とし、その後は院内での歩行は自由です。
症状の改善の程度にもよりますが、通常は手術後2週間から1カ月で退院となります。

鑑別すべき他の疾患

脊柱管狭窄症、靭帯骨化症、脊髄腫瘍、圧迫骨折、梨状筋症候群、
血管障害、筋肉・筋膜損傷、等。