こんな症状

高プロラクチン血症(無月経・乳汁分泌)

無月経、乳汁分泌などの症状で婦人科を訪れた際に、血液検査で、プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)というホルモン値が非常に高いことが判明して、脳神経外科に紹介されることがあります。脳の下にある下垂体という小さな組織に、小さな腫瘍ができて、プロラクチンを過剰に分泌することがあるからです。プロラクチンが高いと生理がなくなり、妊娠していないのにお乳が出たりします。不妊症の原因にもなります。

高プロラクチン血症の原因

【1】下垂体腫瘍(プロラクチノーマ)
多くは、微小腺腫といって、下垂体の中にできるごく小さな腫瘍です。若い女性に多い病気です。プロラクチンの正常値はおおよそ15ng/mlですが、下垂体腫瘍によるものの場合は100~1000ほどにもなる場合があります。

【2】薬剤性高プロラクチン血症
何らかの薬の副作用によって、プロラクチン値が異常に高くなることがあります。 精神科のお薬、あるいは胃潰瘍の薬などが原因となります。

高プロラクチン血症の治療

①一般的には薬剤治療です。以前よく用いられていた薬では吐き気などの副作用が強かったのですが、最近は、カベルゴリン(商品名カバサール)という薬を週1回飲む程度で、副作用も少なくプロラクチン値もよく下がることが多いです。

②薬の効果が少ない、あるいは副作用が強い人、あるいは腫瘍が大きい場合には、手術で治す場合があります。経鼻的手術といって、鼻の穴から内視鏡を使って行う手術です(経鼻的下垂体腫瘍摘出術)。