|
手根管症候群に対する手根管開放術についての説明
1)手術治療を検討する一般的な条件
●薬物治療や局所安静(手を使う作業を休む)などの保存的治療では効果が充分でない
●現在の症状が日常生活、仕事に制限を来す場合
●今後、保存的治療では症状が進行、悪化する可能性が高い場合、など
2)手術方法(手根管開放術)
●手術室で鎮静剤を使って眠った状態になってから手術を実施しています
●現在の症状の原因となっている正中神経の圧迫を開放することが目的です
●手根部に3-4cmの皮膚切開を加えて、皮膚の下に存在する屈筋支帯(くっきんしたい)という膜を切開すると正中神経が現れます
●屈筋支帯を神経に沿って切開を加えて、正中神経への圧迫がなくなったことを確認し、皮膚を縫合して手術を終えます
3)手術による合併症について
●過去5年間での当院での脊椎・脊椎・末梢神経の手術に伴う合併症の率は、全体で約5%の頻度で認められています。つまり、細心の注意を払って手術を実施しても、合併症の可能性が皆無とは言えません。一方、合併症の大部分は術後3-6カ月の経過で改善を見ることが多いです。
●手術そのものによる合併症
・手術操作により神経への新たな障害が加わり、術後に現在の症状が悪したり、新たな症状が
出現する可能性
・手術後に縫合した皮膚の付きが良くない場合や、傷が盛り上がること(ケロイド)がありま
す。ときに、予防のためにアレルギー反応を抑える薬を内服していただくこともあります
・傷の癒着による神経圧迫の再発
・術後の手指のむくみ、創部の違和感
4) 手術一般の合併症
・手術中・術後の出血の危険性
・手術部位への細菌感染:予防のために手術後は抗生物質の点滴を行います
・麻酔による危険性:心臓・肺の障害、肝臓などの内臓障害、薬物アレルギー、喉のいたみ、
声のかれ、など
5)手術後の予定について
●手術後約10日間はシーネ(手首が曲がらないようにするもの)で患部を固定します。その後も約2週間、つまり、手術後合計3週間ほどは手術した側の手首を使う動きはなるべく避けて頂いています。ただし、指は手術翌日から積極的に曲げ伸ばしを行ってください(手指のむくみや関節が固くなるのを予防するため)
●入院期間、職場復帰について:手術後経過が順調であれば、手術前に予定した期間となりますが、術後経過によっては治療期間が延長することがあります
●手術後経過について:術後は定期的に診察、神経伝導検査、血液検査などを実施して、治療経過について患者様、ご家族と話し合う場を設けます(病状説明)
以上の如く、手術治療についてご説明しましたが、手術の実施は最終的に患者様ご本人、ご家族の依頼に基づきます。今回の説明で疑問、心配が十分払拭出来ない場合には再度説明致しますので、ご遠慮なくお申し付け下さい。

|