当院について

病院紹介

1. 病院沿革

 札幌麻生脳神経外科病院は、1985年に札幌市東区北40条東1丁目に脳神経外科単科の専門病院として開院しました。以来、1.高度先進医療の推進と実践、2.地域医療への貢献、3.患者様の権利擁護と尊重、4.医療従事者、学生の教育と実習をあげ、脳と脊髄に関するすべての疾患の診断・治療を目標に掲げています。開設当初より神経画像診断の向上への貢献をめざしており、MRIに関しては北海道第1号機を導入し、専門的診断に力を注いできました。2012年5月に札幌市東区北22条東1丁目に新築移転し、これに伴い、それまでの1.5テスラMRI3台に加え、新たに3テスラMRIを導入し、より高度な脳神経疾患の診断が可能となりました。

2. 病院の特色

 開設当初より、札幌市の北区および東区を中心とした救急医療の一翼を積極的に担っており、1年間の救急車受け入れ台数は約900件。脳卒中などの緊急性の高い疾患に対しては緊急手術やtPA静注療法などの迅速な対応を行い、超急性期治療による治療予後の改善をめざしています。

 開設時より北海道大学病院の教育訓練施設となっています。看護部では、独自の看護プログラムを開発し、「生活支援者」として患者・家族を支えるための看護を大切にしています。病院から地域・在宅へと看護の継続を図るために、外来を含めプライマリー看護を実践しています。効率的な診断・治療のため、病院のIT化も積極的に進めてきました。1999年から画像診断のオンライン化(PACS)を開始。2006年からオーダリング・システムを導入し、2010年には完全フィルムレスとなり、2011年に電子カルテを導入しています。

 移転後は画像検査機器を1カ所に集約して救急処置室に隣接した場所に設置し、2階には手術室やICUなどを機能的に配置しました。建物は安全でゆとりある環境を重視し、開放感のある大きな窓を特徴とし、ロビーや廊下を広くして、病室は各フロアに個室・特別室を完備しました。また、リハビリ体制の充実を図り、理学療法士12人に加え作業療法士、言語聴覚士も増員し、4月からは北大のリハビリ科の医師も定期的にリハビリの指導に来る予定です。


3. 脳神経外科治療

 過去5年間の手術件数は500から約600件と毎年増加しています。脳血管障害、脳腫瘍、脊髄脊椎疾患などそれぞれを専門としている医師による専門性の高い診断・治療を行っています。脳血管障害では、くも膜下出血や重症の脳内出血など緊急性の高い開頭手術はもちろん、脳卒中を未然に防ぐための未破裂脳動脈瘤の治療も数多く行っています。とくに最近では、インドシアニン・グリーン(ICG)を用いた術中血管造影や運動誘発電位などの術中モニタリングを日常的に行い、リスクを早期に検出し精度の高い脳動脈瘤手術を可能としています。また、脳腫瘍の手術には、早期から導入した術中ナビゲーション・システムをルーチンに使用し、よりリスクの少ない手術を行ってきました。最近ではナビゲーションを応用したフェンス・ポスト法による術中の脳偏位の補正や、フレームレス・バイオプシー(ナビゲーション・システムによる定位的生検術)など多彩な手法を行っています。また神経膠腫においては、アミノレブリン酸による術中蛍光診断によってより精度の高い腫瘍摘出を行っています。

 3テスラMRIの導入により、これら最先端の治療に、より精密な術前の検査情報が応用されています。脳動脈瘤の術前検査には、3D-造影CT angiographyによる高精細な画像が有用でしたが、現在では3テスラMRIの高精細画像により、多くの症例で造影CTに劣らない画像が得られ、より低侵襲の検査が可能となっています。

 脊髄脊椎疾患は、年間手術件数が300件を超える症例があり、変形性脊椎症や椎間板障害はもちろん、脊髄腫瘍・脊髄空洞症、脊髄動静脈奇形などの症例も豊富です。とくに脊髄腫瘍は硬膜内髄外腫瘍はもちろん手術治療が困難な髄内腫瘍も数多く本州から入院されています。最近では脊髄障害性疼痛に対する脊髄電気刺激療法に着手、道内では最も多くの症例を経験しており、痛みのある患者様の疼痛緩和に寄与しています。

 高齢化により増加している認知症も、脳神経外科医が避けては通れない疾患です。認知症を呈する患者の中には脳腫瘍や慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症などの疾患が原因の場合もあり、脳神経外科医の診断が必要になります。当院では「もの忘れ外来」を実施し、アルツハイマー型やレビー小体型認知症等に対しても、脳MRI検査や脳血管流検査(SPECT)などの専門的な検査を行い、患者個々に合わせた適切な治療につなげています。また、当院は日本脳ドック学会認定施設となっており、脳動脈瘤などを事前に発見した場合は専門医による適切な対応が可能です。