当院の脳卒中センターは、日本脳卒中学会より一次脳卒中センターに認定されており、急性期からリハビリテーションまで一貫した質の高い医療を提供することを使命としております。脳卒中は発症後の迅速な対応がその後の予後を大きく左右するため、急性期脳卒中患者さまを24時間365日受け入れ、脳卒中外科技術指導医・脳血管内治療指導医を含む医師やスタッフが治療に当たります。脳卒中に関する豊富な経験に裏付けされた高度な専門的知識と技術を有するセンター長を始めとするこれらの医師たちは、整備された最新の医療機器を活用し、患者さまの症状に応じて迅速かつ適切な診断・治療を行っています。

　脳卒中には主に脳梗塞、脳出血、くも膜下出血などがあり、いずれも緊急を要する病気であり、早期の診断と治療が生存率と予後に大きく影響します。脳梗塞発症直後ならば、詰まった血栓を溶かす薬（t-PA）や、直接取り除く治療（血栓回収）などが行える可能性があり、動脈が閉塞してから治療開始・再開通までの時間が重要となります。また、脳出血やくも膜下出血などは生命に関わる重篤な病気であり、当脳卒中センターでは常に手術ができる体制をとっています。くも膜下出血の原因となる破裂脳動脈瘤については、開頭術と血管内手術（カテーテル手術）のどちらの治療が最適か判断し治療を行なっています。このような外科的治療のみでなく、専門的な内科的治療から急性期リハビリテーションまで一貫して行うために脳卒中専門の集中治療室SCUを6床有しています。

　SCUには、多職種からなるチームが配置され、脳卒中の症状を的確に把握し、患者一人一人にカスタマイズされた治療計画を実施します。医師、看護師、リハビリスタッフの緊密な連携により、早期のリハビリテーションが行われ、患者の早期回復へとつながります。 慢性期に於いても、当院の回復期リハビリ病棟にてシームレスなリハビリを施行する事により、良好な回復が期待されます。包括的な体制を築くことにより、脳卒中センターは急性期の対応のみならず、アフターケアも充実させています。患者の治療が終了した後も、地域医療機関との連携を通じて継続的なフォローアップを行うことで、再発予防を図っています。このような体系的なケアは患者の日常生活への適応を助け、治療後も安心して地域で生活できることを目指しています。
脳血管障害について